眼底精密検査 −定期健康診断ー|「生命と微量元素」講座<荒川泰昭>

「生命と微量元素」講座

眼底精密検査

東京都定期健康診断  2018年1月

▼ Topography
3次元眼底像撮影装置(OCT、Optical Coherence Topography)による検査
OCTは、主に網膜の構造を精密に検査するために開発された最先端の検査機器.で、網膜の断面を立体的に撮影することができ、網膜の浮腫などの網膜の異常が発見できる。糖尿病網膜症加齢性黄斑変性症など多くの網膜疾患の早期発見につながる。

眼底精密検査

Horizontal Tomogramとは、horizontal tomography水平断層法によって得られる水平方向の断層像である。RNFL Thicknessとは、網膜神経線維束(retinal nerve fiber layer) の厚さを意味する。

眼底精密検査

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▼ Glaucoma Analysis
緑内障検査
網膜黄斑(yellow spot)や赤色の円周上における平均RNFL厚など、全黄斑厚および中心窩を通る水平走査における各網膜層の厚さを測定する。
Glaucomaとは、眼球内に液体が溜まって網膜や視神経が圧迫される病態で、緑内障あるいは青底翳(あおそこひ)とも呼ばれる。網膜は眼球の内部にある神経組織の層で、光を感知して、その映像を視神経を介して脳に伝えるという役割を果している。また、Maculaとは、斑点の意味で、眼科では macula lutea 網膜黄斑(yellow spot):網膜の最も明るい部分;中心窩を囲む部分や角膜白斑:角膜の白く濁った部分などがある。
RNFL Thicknessとは、網膜神経線維束の厚さ(retinal nerve fiber layer) を意味し、その解析は3Dレイヤーマップ(RPE):網膜全体の体積(mm3)、網膜厚平均(ミクロン)、中心1mm径内の平均網膜厚を測定することによって行われる。すなわち、赤色の円周上における平均RNFL厚、赤色の円周上のTSNIT(4象現)及び 12分割した平均神経線維層厚、左右眼の平均神経線維層厚の対象性などを測定する。Horizontal Tomogramとは、horizontal tomography水平断層法によって得られる水平方向の断層像である。

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▼ 眼底カメラ
散瞳・無散瞳一体型眼底カメラ
本装置は、散瞳、無散瞳の両方が撮影できる眼底カメラで、50°25°の2つの画角を有し35mmフィルム、ポラロイドフィルム、ビデオカメラなどの各種の撮影が可能である。
網膜の血管は身体の中で唯一直接見ることができる血管であり、網膜血管の状態を見ることによって、網膜の細い血管が少しずつ損傷を受けて網膜に異常を来す糖尿病性網膜症や、視野が狭くなる緑内障加齢性黄斑変性症など、失明原因となる病気の様子を診ることができる。

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