関門国道トンネル開通60周年祝賀 −叔父・佐藤広睦のシールド工法による世界初の海底トンネル実現−|「生命と微量元素」講座<荒川泰昭>

「生命と微量元素」講座

関門国道トンネル 開通60周年 還暦の祝い!

叔父・佐藤広睦のシールド工法による世界初の海底トンネル実現(紫綬褒章叙勲)

■ 関門国道トンネル
関門トンネルは、関門海峡の下を通る海底トンネルで、鉄道トンネル(関門トンネル:山陽本線の下関駅−門司駅間)、新幹線用鉄道トンネル(新関門トンネル:山陽新幹線の新下関駅−小倉駅間)、道路トンネル(関門国道トンネル:国道2号の下関市−門司市区間)の3つがある。山陽本線の関門トンネルは彦島を通り、昭和17年(1942年)に下りが、昭和19年(1944年)に上りが開通。車道と人道の関門国道トンネルは昭和33年(1958年)、山陽新幹線の新関門トンネルは昭和50年(1975年)に開通し、それぞれ早鞆瀬戸の海底下にある。今年は、昭和33年(1958年)に関門国道トンネルが開通してから60年となり、還暦祝いが行われた。
■ 世界初の海底トンネル
関門海底トンネル構想は明治時代に始まるが、鉄道は1911年に関門連絡強化問題の研究が着手され、工費が安く国防上有利なトンネル案の採用が決定され、1919年以降地質調査が実施された。しかし、第一次世界大戦後のインフレや関東大震災、世界恐慌などの影響を受けて調査は遅れ、路線の決定は1935年まで持ち越された。技術的課題だけでなく、インフレや戦争などの社会情勢、財政などの問題がいくつも立ちはだかった計画であった。
▼ 叔父・佐藤広睦のシールド工法初採用による世界初の海底トンネル実現(紫綬褒章叙勲)
関門鉄道トンネルは、全長3614.04m(下り線)で、1935年の路線決定を受け、1936年に起工した。このトンネル建設で、私の叔父(母の妹の夫)佐藤広睦が国内で初めて本格的にシールド工法を採用し、下り線は1942年に完成させ、1940年に着工した上り線は1944年に完成させ、複線運転を可能にした(これらの功績により40歳過ぎで紫綬褒章を叙勲)。世界初の海底トンネルが日本で実現した。

また、車道2車線と車道の下に人道がある全長3461.4mの関門国道トンネルは、1939年に起工され、鉄道と道路の2つのトンネル計画が同時に推し進められたが、第二次世界大戦後の激化と終戦に伴って工事は中断され、起工から19年を経た1958年に開通した。日本の道路トンネルの中で、最も長くしかも規模の大きいトンネルであり、海底国道の第一号である。この工事では、下関側に断層破砕帯の存在が明らかとなり、さらに10m深く掘削することが必要となり、そのために逆巻き工法や国内初のルーフシールド工法が採用された。また、関門国道トンネルでは、関門鉄道トンネルとは異なり、換気装置が必要であり、軸流式の自動可変ピッチ・プロペラファンが採用された。
<中学同窓・田中文君撮影>

関門国道トンネル

関門国道トンネル

関門国道トンネル

関門国道トンネル

関門国道トンネル

関門国道トンネル

関門国道トンネル

今年は、昭和33年(1958年)に関門国道トンネルが開通してから60年となり、還暦祝いが行われた
2018.11.27 15.50〜撮影

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