学習なき無(愚)策後手策の連鎖にみる危機管理能の欠如|「生命と微量元素」講座<荒川泰昭>

「生命と微量元素」講座

学習なき無(愚)策後手策の連鎖にみる危機管理能の欠如

"The negative chain" of no(stupid) policies and falling behind in measures that never learn from the past mistakes exposes the lack of crisis management capabilities

学習なき危機管理能の欠如  2020年12月31日

Lack of crisis management capabilities that never learn from the past mistakes
■ 感染爆発の真っ只中に、Go-To 期間延長(〜6月)決定とは?
What a surprise! Go-To postponement decision (until June)
in the midst of an infection explosion
前・菅官房長官は2020年7月13日の記者会見で、7月22日から始まる観光需要喚起策「Go-Toキャンペーン」について「旅行者に『三つの密(密閉、密接、密集)』の回避などに気を付けた上で活用していただきたい」と述べた。そして、ウイルスの感染再拡大に拍車がかかることを懸念する声に対して、キャンペーン延期(停止)は「全く考えていない」と強調した。また、新型コロナの感染状況について「たびたび申し上げているが、感染リスクをゼロにすることはできない。警戒感を持って注視しつつ、感染拡大防止と社会経済活動を両立していくことが大事だ。観光や飲食など業種ごとに作成したガイドラインによって感染防止策を講じ、適切に実施していきたい」と述べた。

2020年7月22日から始まった「Go Toキャンペーン」は、当初より、「人の移動と接触」に依存した事業であり、ウイルス蔓延の中(ウイルス戦時下)での観光旅行飲食は、感染拡大を促進する諸悪の根源であると、その論理的矛盾を指摘されながらも、日本経済の活性化と称して観光旅行業飲食業のみに限定してキャンペーンを強行実施するのは何故か、その理由や意図を疑い、そこには大きな「利権」が 絡んでいるのではないか、と政府に対する不信感が強まっていた。すなわち、この政策は人の移動と接触」(感染拡大)を煽り(促進させ)ながら、同時に防疫(命)のために「人の移動と接触」」を自粛(抑制)せよ」(3蜜を避けて活用せよ)と要請する支離滅裂の整合性なき政策論理であり、論理的・本質的に矛盾(不整合)するものであることや、命に係わるウイルス蔓延の中、多くの産業の内、飲食・旅行業界のみに特化して、援助を強行実施するのは、自由民主党幹事長(二階敏博氏)が全国旅行業協会会長をしていることによる「利権」絡みの政策ではないかとする政府への不信感である。

2020年の師走、感染爆発の真っ只中に、政府は12月15日、Go-Toトラベルを2021年6月まで期間延長するための予算として、追加でおよそ1兆円を計上し、閣議決定した。すなわち、Go -Toトラベルについては、2021年1月末までの旅行を対象としていたが、”2021年の6月末”まで延長し、Go -Toイートのプレミアム食事券事業では、販売は2021年1月末まで、利用は2021年3月末までとしていたが、実施期間を6月末までの延長とした。

政府がGo Toキャンペーンを中止せずに、補助金(税金)をばら撒きながら、「人の移動と接触」(=感染拡大)を煽り(促進させ)、同時に防疫(命)のために自粛(抑制)せよと要請するメリハリなき中途半端な(従って効果のない)ザル政策をこのまま頑なに取り続ける限り、国民は政府を当てにせず、一人ひとりが独自に身を守っていくしか方法がない、まさにカオスの世を招いている。本来なら国民の生命を守るべき政治が能もなく、逆に率先して国民の生命危険に晒していること自体、無政府状態よりタチが悪いと、国民の怒りの声沸騰である。感染が爆発的に拡大し、恰も全国的集団殺人の如く死者が増大する中、翻弄され疲弊した国民はこの政情に辟易し、遺恨の念さえを抱くに至っている。とくに、死者発生においては、その事実の重要性と責任を、数値の観点から(だけ)ではなく、「個の存在と尊厳」に重きを置いた観点から敬意をもって考え論ずるべきである!
■ 整合性なき遅過ぎたGo-To停止
An inconsistent overslow suspension of the Go-To campaign
飲食支援事業Go-Toイートを開始した10月1日以降、新規感染者数は10月下旬ごろから急増。この時点で既に感染爆発が予測され、感染拡大は「人の移動と接触」が全てであり、かつGo-Toキャンペーンは防疫とは真逆の「人の移動と接触」に依存した事業であることを念頭に、即時Go-Toキャンペーンを停止すべきであるが、これを軽視し、1か月後の11月20日になってやっと政府の感染症対策分科会が「Go-To事業」の運用見直しを提言し、西村経済再生担当相が「勝負の3週間」を打ち出したのは11月25日だった。その内容は、強い対策を3週間程度の短期間に集中して取り組み、感染の沈静化を図る必要があるとして、Go-Toイートキャンペーンの制限や、飲食店舗の営業短縮要請など飲食事業のみに特化した一部エリアの一時的な停止や自粛対策など視野狭窄的なものであった。

しかし、政府の行う施策呼び掛けは常に真逆(「Go-To事業=人の移動と接触=感染拡大」の煽動促進策と自粛抑制策の同時要請)かつ論理的不整合で、いずれも説得力や強制力がなく、しかも効果のない度重なる後手後手の要請策に国民は辟易し、国民の方も政府の要請を軽視する傾向すら現れた。そして、「時すでに遅し」で、必然的に日々新規感染者は増大し感染爆発を誘発する結果となった。とくに、「Go-To事業」について、菅義偉首相は当初から、感染拡大につながる「エビデンスはないと強調し、運用見直し強い対策さらには停止に同意しなかった。この誤ったメッセージが、国民に「旅行や移動をしても問題ない」という暗示を与え、政府の要請を軽視する傾向に繋がった可能性は否定できない。

成るべくして成るで、政府ならびに分科会提言の無策・ザル対策に等しい「勝負の3週間」(12月16日まで)は無駄に経過し、逆に新規感染者数や重症者数は開始前よりも増加した。コロナ担当の西村康稔経済再生相は同日、「残念ながら減少傾向になっていない」と事実上の「敗北」を認めた。すなわち、12月17日、東京都の新規感染者は822人、国内感染者も3200人を超えて過去最多となり、また勝負の3週間が始まる直前1週間の新規感染者数は1日平均2072人だったが、期間終盤の1週間では平均2587人にまで増加した。重症者も直前1週間では平均308人だったが、期間終盤1週間では平均570人と1・8倍になり、逆に医療の逼迫(ひっぱく)など状況は確実に悪化した。しかし、この時点でも政府は緊急事態宣言の再発出はおろかGo-Toキャンペーの停止を否定した。

ところが、「勝負の3週間」(12月16日)以降、東京都をはじめ神奈川県、愛知県、京都府など各地で日々過去最多の感染が確認され、急激な感染爆発の状況が続く中、政府の無策を批判する国民の声が沸騰し、政府は遅まきながら観光支援事業「Go-Toトラベル」の全国一時停止を表明せざるを得なくなった。期間は2020年12月28日から2021年1月11日までという誰もが楽しみにしていた帰省や年末年始旅行が含まれる時期である。「Go-Toトラベル」の目的を最大限に達成できるチャンスの消失である。その目的に矛盾した目的破綻の整合性なき後手後手の策である。国民からは、もっと早く10月の時点で対応していればと「先見なき危機管理能の欠如」が問われている。しかも、その策は飲食店などの時短営業要請を延長する意向を示すのみで、効果は見通せない。さらなる強い対策を求める声も上がっている。
■ 先見なき必然の変異株ウイルス輸入
An improvident inevitable import of the Coronavirus variant
1.変異株の発見
世界保健機関(WHO)によると、英国変異株ウイルスは従来株よりも感染力が最大7割強く子供への感染率高いとされるが、致死性や重症度、ワクチンの有効性への影響などに関する詳細は不明である。ウイルス感染では、大規模な流行が進展する過程で新たな変異株が出現するのは珍しくないが、感染をめぐっては、英国のハンコック保健相が「制御不能」に陥っていると警告しているのに対し、WHOの健康危機担当マイク・ライアン氏は、変異株は「制御不能」ではないとし、英国保健相の発言と食い違いをみせている。

一方、英国の変異株とは全く別に南アフリカ変異株ウイルスが発見されており、同国からの渡航者の入国を禁止する国が出ている。南アフリカでは10月頃から変異株が確認され、南アフリカにおける現在の第2波の主因になっている。比較的若年層に拡散しており、第1波よりも感染速度速い可能性があるという。英国の変異株と似ているが、同株かどうか詳細は不明である。

一般的にウイルスは変異を繰り返す性質を持っており、新型コロナにおいても数千種類の変異株が確認されている。今回、英国や南アフリカで確認された変異株が致死性重症性ワクチン有効性へどの程度影響するのか詳細は現時点では不明である。
2.海外の状況
イギリスで確認された新型コロナウイルスの変異株は、従来株よりも感染力が最大70%高いとされ、これまでに日本のほか、カナダ、スペイン、スウェーデン、スイス、デンマーク、オーストラリア、イタリア、オランダ、中国、台湾でもイギリスからの入国者関連の感染が確認されている。また、南アフリカにおいても類似の変異株ウイルスが確認され、既に感染の急拡大を招いている。若年層に感染が多く、感染速度が速い可能性があるという。

とくに、イギリスにおいて感染力の強い変異株ウイルスの感染が急拡大していることを受け、世界保健機関(WHO)の欧州本部は欧州各国に対して「警戒強化」を呼びかけており、近隣諸国をはじめ世界各国が水際対策強化し、40カ国以上の国々が相次いでイギリスからの渡航制限している。また、感染されていない国々においては、変異株が確認されている国からの渡航を禁止、あるいは期限付きで禁止している。

現時点では、イギリス自体は12月20日から、ロンドンなどのロックダウン(都市封鎖)に踏み切っており、スペイン、ポルトガル、イタリア、オーストリア、スイス、アイルランド、ロシア、ベルギー、ポーランド、フィンランド、ノルウェーなどの欧州諸国は2020年12月21日よりイギリスからの渡航禁止。イタリアは2020年12月21日より英国からの渡航を相次いで禁止。英国からの航空便の停止に加え、直近2週間に英国に滞在した人の入国も禁止する措置を導入した。ドイツは2020年12月21日から31日まで、オランダは2021年1月1日までイギリスからの旅客便の乗り入れを禁止するなど、期限付きで制限している。スウェーデンはデンマークとの国境部分を閉鎖した。フランスやベルギーは2020年12月21日より航空機だけでなく、船や陸路での入国も禁じた。英・欧州連合(EU)間の貿易の要衝であるドーバー港を閉鎖し、48時間にわたり英国からの陸上貨物輸送を停止した。

中東・アジアでは、2020年12月21日よりサウジアラビア、クウェート、オマーンが国外からの渡航者の入国を完全に禁止。イスラエル、トルコ、インドも2020年12月21日よりイギリスからの入国停止を決めた。中国が2020年12月24日よりイギリス発着の直行便の運航を無期限停止。韓国もイギリスを往来する航空便の運航を中断。フィリピンは変異種が確認されている国からの外国人の入国を2020年12月30日から2021年1月15日まで停止した。

こうした世界情勢の中で、日本政府は2020年12月24日より当分の間、日本人以外はイギリスからの入国を認めないと発表したが、12月27日以降でもイギリスから帰国する日本人についてはイギリス出国前72時間以内の陰性証明書の提出のみで入国を許可している。
そして、遅ればせながら(世界に比べ1週間遅れの措置となったが)、日本政府は、やっと全世界からの外国人の入国を2020年12月28日から2021年1月末まで停止することを発表した。しかし、中国や韓国など11カ国・地域と合意したビジネス往来などの枠組みによる入国は引き続き認めるとしている。世界が英国や南アフリカで確認された変異株の侵入防止対策に奔走しているにもかかわらず、この水際対策における鈍智・鈍感さが毎度、後々の深刻な「負のスパイラル」を招く諸悪の根源となっている。後手の策に成果なし!

北米では、カナダは2020年12月21日より英国との航空便の往来を断ち、イギリスからの入国停止を決めた。米国は渡航禁止などの措置を取っていないが、ニューヨーク州のクオモ知事は、イギリスからニューヨークのジョン・F・ケネディ国際空港へ向かう路線について、新型コロナ検査で陰性が判明した乗客のみの搭乗を許可するよう、航空各社に要請。英ブリティッシュ・エアウェイズ、米デルタ航空、ヴァージン・アトランティック航空の各社は2020年12月21日よりこの措置を実施した。

南アフリカでは、イギリスの変異株とは全く別の変異株ウイルスが発見されており、同国からの渡航者の入国を禁止する国が出ている。

当然ながら、変異株は既に確認された国以外にも拡散していると考えられ、従来株に加えて種々の変異株ウイルスの感染拡大は、さらなる憂鬱かつ不気味なコロナ禍の到来を予測させる。そして同時に、国内の感染予防や管理においても極めて深刻な潜在的脅威をもたらすものと思われる。
3.水際対策は大丈夫か
▼ 検査不要の水際対策 −入国制限緩和措置拡大でウイルス検査不要となる−
日本政府は、新型コロナウイルスの水際対策において、各国からの入国制限緩和措置を開始した。ビジネストラックの入国許可措置の対象拡大に加え、10月1日以降は世界各国地域からの新規入国を一定条件のもと許可数限定で再開し、11月1日以降は渡航中止勧告が出ていた感染症危険情報をレベル2に引き下げ、水際対策緩和した。

この緩和措置により、中国、ベトナム、韓国、台湾など11カ国・地域からの入国者の空港でのウイルス検査不要になった。検査対象緩和は感染拡大以降、初めてである。上記の国以外に、検査が不要になったのは、香港、マカオ、シンガポール、タイ、ブルネイ、豪州、ニュージーランドである。滞在歴のある外国人の入国拒否解除された。日本での滞在場所や連絡先などを登録する質問票の提出や、入国翌日から14日間の待機と公共交通機関を使わない移動の要請は従来と変わらない。

ただし、国際的な人の往来再開に向けた段階的措置として、11月1日より、日本在住の日本人及び在留資格保持者を対象に、ビジネス目的での短期出張からの帰国・再入国時に、ビジネストラックの14日間待機緩和を準用する仕組みが開始されているが、再入国許可(みなし再入国許可を含む)をもって出国した在留資格保持者が入国拒否対象国・地域から再入国する際には、日本出国日にかかわらず、従来求められてきた「再入国関連書類提出確認書」又は「受理書」の提出不要となる。

しかし、変異株ウイルスが発見されている英国(令和2年12月24日以降)及び南アフリカ(同12月26日以降)からの在留資格保持者の再入国については、入国時に位置情報の保存等について誓約書(PDF)を求めることとなり、当分の間、この仕組みによる14日間の待機緩和対象外である。

入国者の空港でのウイルス検査不要になったことで、果たしてウイルス侵入に対する水際対策は大丈夫であろうか。愚かにも、変異株輸入して終えば、「後の祭り」で、変異ウイルスは全国に拡散し、従来株の場合と同様に国民はその後始末(変異株コロナ禍)に翻弄され、再度深刻な事態を招くことになる。第1波の時の大失態を繰り返す様であれば救い難き危機管理能の欠如となる。
4.案の定!漏らしてしまった
英国で発見の変異株への感染者だけでなく、南アフリカで発見の変異株への感染者が国内で確認され始めた。いずれも英国および南アフリカでの滞在歴があるという。しかも、空港検疫での感染確認だけでなく、空港検疫すり抜けの国内での感染確認の事例も出て来た。とくに、「ザルに水漏れ」の如き日本の水際対策では、無症状ウイルス保有者が空港検疫を陰性で通過し、国内で感染を広げている可能性は大である。ちなみに、英国では、南アフリカの渡航者と接触した人からさらに別の変異株(第3の変異株)も見つかっており、英政府はこちらの方がさらに感染力が強いと説明している。
▼ 空港検疫すり抜けの国内での感染確認
空港検疫をすり抜けた事例も出て来た。厚労省によると、新たに変異株への感染が確認されたのは、東京都の50歳の女性で、2020年12月13日に英国より羽田空港に到着。空港で短時間で結果が分かる抗原定量検査を受けたが、陰性。その後、経過観察中の12月19日に微熱や喉の痛みを訴え、改めて検査を受けて感染が判明した。ウイルス解析の結果、12月27日に変異株だと判明。女性は公共交通機関を利用しておらず、自ら確保した宿泊施設で待機していたという。

重ねて、2020年12月26日、厚生労働省より空港検疫すり抜けの国内での感染確認事例が報告された。厚生労働省によると、英国で感染拡大しているのと同様のコロナ変異株が確認されたのは、30代男性パイロットで、2020年12月16日に英国より羽田空港に到着。男性は機長であり、検疫不要だったため、そのまま帰宅。機長などは航空会社の責任で、外国滞在時の行動制限や帰国後の健康観察などを条件に検疫を受ける必要がないというが、コロナに対する知識不足である。必然的に、家族の20代女性からも変異株感染が確認された。

上記のように確認された事例は氷山の一角で、「ザルに水漏れ」の如き日本の水際対策では、無症状ウイルス保有者が空港検疫を陰性で通過し、国内で感染を広げている可能性は大である。世界が英国や南アフリカで確認された変異株侵入防止対策に奔走しているというのに、日本は逆行甚だしく、10月1日以降は世界各国地域からの新規入国を再開し、11月1日以降は渡航中止勧告が出ていた各国からの入国制限緩和措置を開始し、入国者の空港でのウイルス検査の不要や滞在歴のある外国人の入国拒否解除など、逆に水際対策緩和している。この時点で、既に変異ウイルスが日本中に拡散されている可能性がある。正常では理解に苦しむこのような野放し状態のザル対策では、日本国中が感染力の強い変異ウイルスで蔓延することも遠くないことである。 
▼ 空港検疫での感染確認
12月1日 英国より羽田空港に到着 10代男性 英国の変異株確認は国内初
12月18日 英国より羽田空港に到着 10代男性 空港検疫で陽性 無症状
12月19日 南アフリカより成田空港に到着 30代女性 空港検疫で陽性 無症状 南アの変異株確認は国内初
12月19日〜24日 英国より羽田空港に到着 30〜40代の男女5人
12月20日 英国より羽田空港に到着 60代男性 空港検疫で陽性 倦怠感があり
12月21日 英国より関西空港に到着 40代男性と40代女性、10歳未満の男児 空港検疫で陽性 無症状
12月24日 英国より羽田空港に到着 40代男性 発熱症状
12月23日から26日まで 英国より4人 アラブ首長国連邦UAEより2人 成田空港と羽田空港、関西空港に到着 10歳未満から50代までの男女6人 30代の女性が食欲の低下 ほかの5人に熱などの症状なし
12月28日 英国より6人  南アフリカより1人 いずれも空港検疫で陽性
空港の検疫所や国内で変異株への感染が判明したのは、2020年12月28日までで21人となった。
▼ 後手策「ウイルスの入国(輸入)後に人の入国を停止」
海外では、以下の項に記すように、カナダ、スペイン、スウェーデン、スイス、デンマークやドイツ、イタリア、オランダ、オーストラリアなどにおいて、イギリス由来変異株への感染が確認され、感染力の強い変異株であるという報告から、2020年12月21日より40カ国以上が英国からの全ての入国禁止している。サウジアラビア、オマーン、クウェートでは厳格な措置の下、1週間にわたって国境閉鎖している。

こうした世界的状況の中で、当然ながら、日本においても変異株ウイルスが入国(輸入)する前に侵入防止対策入国停止)を取るべきであるが、残念ながら危機管理能なく、上記の如く、現時点までに21例変異株を易々と国内に招き入れてしまった。まさに、懸念の拙句「感染の緊要“蟻の一穴”の理」で、感染においてはこの時期での「迅速な対応」が最も重要であり、「蟻の一穴天下の破れ」(ほんの僅かな油断や軽視が、大きな失敗や損害さらには国家の乱れを引き起こす)の思いである。

日本政府は、12月24日になって、英国からの外国人の新規入国を禁止し、日本人や日本在住の外国人が英国から帰国・再入国する場合に11月1日から一定の条件下で認めていた入国後2週間の待機措置免除を停止した。12月26日からは変異株発生の南アフリカについても同様の措置とした。ただし、25日夜までは、英国や南アフリカ以外の国々からの入国者については検疫体制を強化する意向を示しながらも、中国や韓国など11カ国・地域と合意したビジネス往来などの枠組みによる入国は引き続き認めるとしていた。

ところが、新型コロナウイルスの変異株が世界的に拡大していることを受け、12月26日になってやっと政府は2020年12月28日から2021年1月末まで、全世界からの外国人の新規入国停止すると発表した。政府は10月より、入国制限緩和措置として、全世界を対象に留学生や駐在員など中長期の在留資格を持つ外国人の日本への新規入国を認めていたが、英国の変異株ウイルスが世界各国に拡散し、40カ国以上の国々が既にその侵入防止対策(入国停止)を取り終えている現況下、世界に比べ1週間遅れ後手策ではあるが、国民世論の突き上げに押される形で、やっと全世界からの外国人の入国停止する措置に踏み切った。後手の策に成果なし!

日本は世界に比べ1週間遅れの措置となったが、その間(入国拒否措置以前)に簡易侵入した変異株ウイルスが全国拡散していないことを祈るのみである。また、上記措置による水際対策からの水漏れ(検疫すり抜けのウイルス侵入)がないことを祈る。
■ 日本における感染者数の推移  2020.3.10〜12.31

学習なき愚策後手策の連鎖

■ 日本における死亡者数の推移  2020.3.10〜12.31

学習なき愚策後手策の連鎖

参考:WHO公表値あああ
■ 東京における感染者数の推移  2020.3.10〜12.31

学習なき愚策後手策の連鎖

■ 東京における死亡者数の推移  2020.3.10〜12.31

学習なき愚策後手策の連鎖

参考:東京都修正公表値あああ

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