梅雨の走りかビヨウヤナギ(未央柳)咲き始む−楊貴妃に擬されて咲くや未央柳(びょうやなぎ)−|「生命と微量元素」講座<荒川泰昭>

「生命と微量元素」講座

梅雨の走りかビヨウヤナギ(未央柳)咲き始む

It may be "forerunner" in advance of the rainy season that
Hypericum monogynum come into bloom !

楊貴妃に擬されて咲くや未央柳(びょうやなぎ)  2020年6月5日

Hypericum monogynum compared to Yang Guifei come into bloom
■ ビヨウヤナギ(未央柳、美女柳、美容柳)
中国を原産とするオトギリソウ科・オトギリソウ属・キンシバイ金糸梅(中国名:金丝梅)の仲間で、約300年前に日本に渡来した帰化種で、樹高1m程度の半常緑性の小低木。中国名には「金糸桃」「土糸桃」「金糸海棠」「土連翹」などがあるが、日本では「未央柳」「美容柳」あるいは「美女柳」と表記される。枝先がやや垂れ下がり葉がヤナギに似ていることから、日本ではビヨウヤナギ(あるいはビョウヤナギ)を通称名とするが、その漢字に「未央柳」を当てたのは、白居易の「長恨歌」にある「太液の芙蓉未央の柳此に対ひて如何にしてか涙垂れざらむ」の一節に由来するといわれている。すなわち、玄宗皇帝が太液の池の蓮花を楊貴妃の顔に、未央宮殿の柳を眉に喩えて 未央柳の情景を詠んだという故事になぞらえて、美しい花と柳に似た葉を持つこの木を、未央柳と呼ぶようになったといわれている。

花期は5-7月頃で、枝先に花径5p 程度の黄色い5弁花を次々に咲かせる。萼片は5枚である。花の真ん中には1つの雌蕊があり、柱頭(雌蕊の先端で花粉の付着する部分)は5つに裂ける。雌蕊を取り囲んでたくさんの雄蕊があり、5つの束になっている。雄蕊の長さは花弁よりも長い。葉は長い楕円形で、十字状に向かい合って生える(対生)。葉の縁にぎざぎざ(鋸歯)はない。

同じオトギリソウ科に属する花には、ビヨウヤナギ(未央柳)の他に、キンシバイ(金糸梅)、セイヨウキンシバイ(西洋金糸梅、別名:ヒメキンシバイ姫金糸梅やヒペリカム・カリシナム)、ヒペリクム・ヒドコート(流通名:タイリンキンシバイ大輪金糸梅)、トモエソウ(巴草)、コボウズオトギリなどがあり、以下のような花の大きさや形、雄蕊の長さ、葉のつき方や形など、それぞれの特徴によって見分けることが出来る。

1)花の比較では、大輪金糸梅(ヒペリクム・ヒドコート)の花径は7〜8cmあり、上を向いて平開をする。金糸梅(キンシバイ)の方は花径3〜5cmで平開をせず、深いカップ形で垂れ下がって咲く。ビヨウヤナギ(未央柳)は花径5cm程度の黄色い5弁花を咲かせる。セイヨウキンシバイ(西洋金糸梅)の花径は約8cm前後である。
セイヨウキンシバイの花形は、ビヨウヤナギ(美容柳)やタイリンキンシバイ(大輪金糸梅)と似ているが、タイリンキンシバイよりワイルドな感じである。
2)雄蕊の比較では、花の真ん中には1つの雌蕊があり、その雌蕊を中心に多くの雄蕊が取り囲む構造となっているが、雄蕊の長さがそれぞれ異なる。すなわち、キンシバイ(金糸梅)の雄蕊の長さは花弁より短いのに対して、他の花の雄蕊は花弁よりも長い。また、その形状も異なり、セイヨウキンシバイでは直線の密な雄蕊が放射状に広がっているのに対して、ビヨウヤナギの雄蕊は蜜ではなく、少々カール気味で上に向かっている。
3)葉の比較では、葉形は楕円形であるが、長さに差異がある。また、葉のつき方が異なり、セイヨウキンシバイでは普通の平面的な対生なのに対し、ビヨウヤナギでは立体的な十字対生になっている。

梅雨の走りかビヨウヤナギ咲き始む

梅雨の走りかビヨウヤナギ咲き始む

梅雨の走りかビヨウヤナギ咲き始む

梅雨の走りかビヨウヤナギ咲き始む

梅雨の走りかビヨウヤナギ咲き始む

梅雨の走りかビヨウヤナギ咲き始む

梅雨の走りかビヨウヤナギ咲き始む

梅雨の先駆け・ビヨウヤナギ(未央柳)咲き始む

花盛り in blossom  2020年6月8日

花盛り  in blossom

花盛り  in blossom

花盛り  in blossom

花盛り  in blossom

花盛り  in blossom

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