東京では準絶滅危惧種のニホンカナヘビが西洋芝の上を漫歩|「生命と微量元素」講座<荒川泰昭>

「生命と微量元素」講座

準絶滅危惧種のニホンカナヘビが漫歩

東京では準絶滅危惧種のニホンカナヘビが西洋芝の上を漫歩  2015年5月4日

ニホンカナヘビ

ニホンカナヘビ

ニホンカナヘビ

ニホンカナヘビ(準絶滅危惧種)の漫歩

和名:日本金蛇、日本蛇舅母、学名:Takydromus tachydromoides (Schlegel, 1838) )。カナヘビ科カナヘビ属に属する爬虫類動物の一種である。日本の固有種で、ニホントカゲと並び、日本列島本土では身近に見られるトカゲである。北海道、本州、四国、九州およびその属島に棲息し、一般には平地から低山地帯の範囲に多く、森林内よりも草地や林縁部でよく見られる。生垣や植え込み等の緑の多い宅地や雑草の茂る空き地などでもしばしば繁殖する。東京都と千葉県にてレッドリストの準絶滅危惧相当の指定を受けている。

全形:鼻先から尾の先端までの全長は16〜25cm程度。尾は全体の2/3を占め、ニホントカゲより相対的に長い尾をもつ。背面の鱗は特に大きく一枚ごとに1本の強い稜線があり、その後端は尖っている。これらの鱗が前後に重なって配列するため、背面全体を前後に走る隆条が形成される。四肢の鱗もやや大きく稜線があり、尾の鱗も長方形で稜線をもつため全体に隆条を形成する。
背面は灰褐色〜褐色で、腹面は黄白色〜黄褐色。側面には2本の色帯があり、鼻孔から目・耳を横切り尾の付け根まで達する黒褐色の色帯と目の下縁から耳の下を通って後方に伸びる同色の色帯があり、これら2本の色帯の間は黄白色の帯となっている。頭部下面には咽頭板と呼ばれる大きな鱗が左右4対並び、最後方のものが最も大きい。目も耳もよく発達しており、とくに耳はニホントカゲに比べて大きく、色も黒っぽいためよく目立つ。四肢はよく発達してそれぞれ5本の指をもち、後肢の第4指はとくに長い。

行動:通常は昼間活動し(昼行性)、主として昆虫クモワラジムシなどの陸生の節足動物、例えばコオロギ、ダンゴ虫などの幼虫、尺取虫の青虫、アブラムシ、蚊、コバエ、クモの子などを食べる。低い場所を徘徊するほか、樹上2m程度まではよく登る。陽当たりで静止して体温調節をする。ニホントカゲは石や倒木の下に隠れるが、本種は茂みに逃げ込むことが多い。捕まりそうになると尾を自切し、切れた尾が動いている間に逃げる。尾は再生するが再生した尾には骨がなく、時には二又のものが見つかることもある。夜は茂みや葉上で眠る。

繁殖:成体は春から夏にかけて交尾する。その際、雄が雌の頭部から腹部あたりを咬むため交尾した後の雌の体にはV字型の咬み跡が残ることがある。産卵は5月から8月頃にかけて数回行われ、草の根際などに産みつける。一回の産卵数は2個〜7個程度。卵は白く、産卵直後は長径1.0cm、短径0.6cmくらいの楕球型。ニホントカゲのように卵の保護は行わない。卵は周囲の土壌などから発生に必要な水分を吸水して約1.5倍の大きさまで膨らみ、50日前後で全長5cm〜6cmの幼体に孵化し、ほぼ1年で成体となる。幼体には色帯はなく、全身が黒褐色である。地方にもよるが、11月頃に地中に潜り越冬する。

天敵:小型の哺乳類や鳥類、ヘビ類など。モズの「はやにえ」やヘビのシロマダラ、また幼体のうちはカマキリも本種を捕食すると言われる。

ニホンカナヘビ

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▼ 体温調節のために陽だまりで日光浴

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